昭和の親父が娘を教育する方法
昔々、一番下の娘が高校生の頃、超保守親父の私がぐちゃぐちゃうるさい小言ばかり。
ドアは開けたら閉めろ、玄関の靴はいつも出船入船に揃えておけ、ちゃんと家族全員が揃ってからのいただきますだ、先に食べ始めてはいけない。などなど
そしてついにきた、その当時、当たり前のように浸透してきた携帯電話、私も欲しいと娘がのたまう日が。 ケータイ?、お父さんは会社から支給されて仕事で必要だから使っている。なんで高校生のお前が携帯が必要なのか、説明してみろ、みんなが持っているから なんて馬鹿馬鹿しい理由なんか言うんじゃないぞ。 買ってやらない。こう押さえつけたのが高校1年生、娘がしぶしぶそのまま3年生になった頃、「あのねお父さん、同学年どころか全校の中で携帯を持っていない子が私だけになっちゃった このままいくと仲間外れかいじめにも合うけれどそれでもいいの?」
だめだめと取り合わないつもりでいたが当時やっと携帯を許されたお兄ちゃんとお姉ちゃんが、娘に味方、「お父さんここまでくるといくら何でもかわいそうだ 買ってやってよ」かくして姉兄妹 3人のスクラムが成立し娘は携帯を手に入れたのであった。
同じ頃、チャラチャラしたギャルが世の中に増えてきて、これはいかんとまたまた注意連発。「いいか!うちでは茶髪、マニキュア、ピアスは禁止、なぜだかわかるか? 人間は自然のままが一番いいんだ それにつまらないものに金と時間をかけるな」
娘がついに、キャパシティーオーバーで反撃、切れてしまった。
「もう うるさーい、 なぜお父さんの言うことばかり聞かないといけないの」
「私はお父さん好みの女になんかなりたくない!」
一瞬ひるんでしまった。いつも率直ではあるが勝手な感情を織り込んで注意指導ばかりしてきた、こらえ性のない男だなと我ながら思うところも多く、この辺で物分かりのいいお父さんにならざるを得ないか、と思ったが、口をついて出た言葉は全く正反対の優しさのかけらもない言葉。
「うるさい! 俺はおまえのお父さんだ、親父だ。親父が自分の娘を自分好みの女にするのが何が悪い。 当たり前のことだ。何がおかしい」
と言ったら、呆れたのか諦めたのか何も言わなくなった。 そんな娘も3禁守ったまま、今では二児の母、優しい娘に育ってくれました。これはまだ伝えていないけれど「御免ね わがまま親父で」
追記、
お前に彼氏ができて付き合い出したらその時点でまず家に連れてこいと命じていた。いよいよ娘が彼を連れてくる日がやってきた。
この彼がしっかりしているのかどうか?そんなことすぐわからない、 ので、
当時私が趣味でやっていたマラソン、それもフルマラソンに完走したら交際を認めてやると、これまた勝手な発言。彼、がんばりました、 5時間を超えてフラフラになって帰ってきたけれど、こいつが今の娘の旦那です。