育児は体力勝負 孫がうるさい 老人はお疲れ
育児は本当に体力勝負。
年をとってくると20代30代の頃に子供を作り 育てるという事が生物学的に理にかなっていると思う。
娘が孫2人を家に連れてくる。
おう まだまだちっちゃいのう かわいいのぉ なんて言って迎え入れるが、私の場合は半日もしないうちにキャパシティーオーバー。気が短くうるさいのが耐えられないのと、子供の幼稚な遊びや動きについていけない。
娘に、そろそろ早く連れて帰れなんて言ってしまう。息子も家に来て孫が5人集合ともなると世間一般ではこれを幸せと言うのだろう。いいえ ハイ 幸せだと思っています。 でもこの狭い家の中、ちび太たちの動きと騒音、狂気の沙汰の時間が流れている。
生物の使命、命の本質とは、
子孫を残す事、これが本質らしい。
それが証拠に、生物は子供ができて一人前に巣立つと、定められた寿命が来て死ぬことがプログラムされているという。確かに鮭とかは産卵すると死んでしまうし、カマキリなんかは交尾直後に雄は役目を終えて死ぬらしい。
人間の赤ちゃんは、一人前になるのに20年かかるから、本来の人間の寿命は 20歳で子供を産むと、40年と定められているという。医療の進歩で長生きしすぎているのかもしれない。
その孫たちに、命について考えさせられ振り返ることができた情景があった。
和室から鈴(かね)の音がした。続いて
☆このお水が汚れてるよ、と6歳の孫娘。 ☆ああごめんごめんお水を変えてあげようね。
小さな仏壇の前に置いたおちょこの水を変える。永らく仏様の前に座ってもいなかった。
☆これは誰? ☆これはね バァバのお父さんとお母さん 真っ白な海軍軍服姿の義父(ちち)と着物姿の義母(はは)の並んだ写真
☆これは? ☆バァバのお姉さん、などと説明していると4歳 2歳のチビたちも寄ってくる。
☆あのね、ママのママのママがこの人なの
☆ふーん、
☆この人がいなければみんな生まれていないんだよ
☆ふーん
わかったのかわからないのか、でも面白いことにみんなチョコナンと正座している。
☆火をつけたい ろうそくをつけたい
☆じゃぁお線香をつけてみよう
久しぶりに静謐な香りが 部屋を満たした。お線香ってうまく作られてるなぁ
自分のような全く信心のない人間も洗ってくれ凛とした気持ちになる。
海軍予科練初期4期、特効生き残りの父、
☆般若心経唱うる子あり鐘木魚、叩く子もあり蹠(あなうら)ならぶ と詠んだ母。
もっとゆっくりいろんな話しを聴いておけば良かった。約30年前に母が詠んだ通りの光景が今、繰り返されている。孫たちに教えられた静かな時間であった。