日中若者事情からみる、伊藤美誠は大魔王どころではない理由
日中若者事情からみる、伊藤美誠は大魔王どころではない理由
伊藤美誠さん 応援歌
また日本人18歳の快挙のニュースが入ってきた。
スウェーデンオープンで卓球王国・中国のトップ3選手をすべて撃破し、優勝した伊藤美誠(18)を[大魔王]とよんで中国メディアが最大級の警戒を示した。
あどけない顔の少女が大魔王と呼ばれてしまった。
中国メディアの環球時報は「大魔王が現れた」 人民日報は「我が国の卓球のキラーが現れた」と伝え、この結果はまぐれではない」とのコメントもあった。
決勝で世界ランク1位の朱雨玲、準決勝でリオ五輪女王で、同2位の丁寧、準々決勝で元世界1位で、劉詩ブンを撃破した。
中国は昨年4月のアジア選手権で、もう1人の18歳 平野美宇に朱雨玲、丁寧が敗れ優勝されている。この度、平野より半年若い伊藤が再び快挙。中国卓球界は偶然ではないことに気づきこの[若いオオカミ]に対処する必要があると警鐘を鳴らしたという。
中国には卓球の中国スーパー(超級)リーグがあるという。国家をあげた卓球プロのエリート養成組織だ。このスーパーリーグが中国を世界最強国にしている。世界ランクも上位を中国選手がいつも席巻していた。
その中で日本の卓球のレベルは上がってきたが、現在 特筆すべきは21歳以下 10位までに日本選手が7人入っているのに対し、中国選手は2人しかいないという。18歳を中心に若い力が躍動している。
伊藤美誠が大魔王どころではないというのには訳がある。日本を代表する伊藤美誠それに平野美宇、共に18歳。
現在の日本の高校3年生にあたる18歳人口は
118 万人である。この人数を分母とした日本の若い代表として世界で戦っている。
対する中国の現在の18歳人口、なんと1600万人である。
日本に限らず今 中国も急激な少子高齢化の時代に入ろうとしている。
それにしてもやはり人口大国、18歳人口だけ比べても日本の14倍ある。分母の数字が違う。その国の代表になっていく競争率 難易度が違うのだ。中国の代表選手のエリートぶりが群を抜いている。
アメリカや日本その他の国は学校のクラブやスポーツクラブを中心とした選手の育成システムが基本。
対して中国のスポーツ選手の育成システムは、当然ながら政治の中に組み込まれた挙国体制 政治そのものである。
中華民族の偉大な復興戦略!としての『スポーツ大国』『スポーツ強国』をスローガンとして若者を掘り起こしている。
双方の体制の是非を問うているのではない。が、今や特に、中国の国技と意識される卓球に対する思い入れ度が違う。
そんな中 本当に今回の伊藤美誠さん、
人口面でもスポーツ支援面でもパワーの劣る小国日本から よくぞ飛躍してくれました。
かの中国から まだまだあどけない少女の貴女を大魔王とよばせた事。快挙です。大魔王どころではありません。大魔神です。
今後中国は国を挙げてあなた1人に襲いかかってくるでしょう。どうかプレッシャーに負けないで。小国日本でありますが、日本人全員があなたを応援しています。