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NHKの発達障害者特番。でも満足できる内容ではなかった

NHK発達障害者特番。でも満足できる内容ではなかった

 

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24日「発達障害ってなんだろうスペシャル」と言う番組がNHKで放映された,

この番組の数日前、書道家 武田早雲氏が自分が発達障害があることを発表。発表してなぜかすごくほっとしたとコメント。

 


当番組には落語家の柳家花緑フリーアナウンサー小島慶子さんが出演。

発達障害の典型的な現象がとてもよく理解できる番組であった    内容は以下の通り。

 


柳家花緑さんはLD  学習障害

漢字の読み書きが苦手で、子供の頃の通知表には1が並んでいたという。現在も中学程度の漢字でも読めないことが多く、台本などにはひとつずつふりがなをふって、仕事にのぞんでいる。

 子供のころは、国語の授業の「音読」が一番きつかった、という。「友達の前で恥ずかしい思いを…。読めないのが。自分はバカだ、何やってもダメだという思いが子供の頃から根付いている。

文字を見て音に換えることが難しい、という症状であることも判明した。その日の体調によっても障害の程度は違うという。 

 


公表すればするほど、周りが認めてくれすごく楽になる。自分の障害を受け入れて笑えるようになる

それまでは単なる落ちこぼれですよ。勉強できない、バカと言われてきてた」。

 


小島慶子さんは 軽度のADHD」(注意欠如・多動性障害

障害だとは思ってなくて。いろいろ大変だなあ、私、相当ダメ人間だなと思ってた

しゃべりすぎる 計画的に物事を進められない 片付けが苦手 遅刻が直らない-など。気が散りやすい、集中しすぎる」なども特性だという。

 


テレビに出演した際にコメントを求められると、相手の反応、持ち時間などに構わず、ひたすら話し続けてしまうことも特性なのだという。また、遅刻は嫌で遅刻しないよう準備を急いでいても、途中で別のことに没頭してしまい遅刻したりする。

 


以上が番組の内容で、発達障害の各特性がよくまとめられ表現できていたと思う。

 


LD学習障害では俳優のトム・クルーズ    ADHDでは黒柳徹子さん

さかなくんやエジソン発達障害と言われている。

このところ発達障害と言う言葉がとても社会に浸透する言葉となった。また発達障害を公表する有名人も多くなってきた。

今まで隠れていた問題が顕在化し社会の理解が広まること。これはとても良いことだと思う。NHKの番組も時期的に的を得た企画だったと思う。

 


でもでもでもでもでもでもでもでもでもでも

何かが違うのだ。

それでは笑顔にはなれないのだ。何故?

発達障害で悩みの中にいる当事者があの番組を見たとき、納得できたであろうか?

こんなものではない 何かが違う もっと僕らは苦しんでいる と思ったのではないかと思う。

 

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テレビに登場する人、カミングアウトしてくれた人は、みんな仕事を持っている人。

今 現在、仕事をしている人なのだ。

大成功の人もいる。それはそれでいいことだ。

既に仕事をしている人 就職までたどり着いた人は周りの理解や適応の方法が課題となろう

これがテレビで放映された内容である

 


が、

そこまでの

社会の表面に現れてこない人はどうしたらいいんだろう?

社会の底辺で1人悩んでいる当事者に光が当てられたとは思えない。

 


どうしても自分のことが分からないままで仕事までたどり着けない人  社会の表にまで出てこない人、何も発信できないままの人がとてもたくさんいる事を知っておいて欲しい。

 


発達障害であってもそれを超える特有の才があり社会に適応している人、軽度障害の人はそれぞれ仕事を持っている。

この人たちはそれぞれの特性があり苦労もあったと思うが、みんななんとかコミニュケーションが取れる人である。

 


しかしながら発達障害の大きなベースとなる症状はコミュニケーションが取れない!という問題だと思う。  

 


言葉を選ぶのに時間がかかる

次にどう返事をすれば相手が問題なく怒らないで受け止めてくれるか  をいつも考えている。そのことに疲れてしまう

会話することそのものが怖い

言葉が出ないため、就職面接でことごとく不採用となる

友達と会話にならずあいつおかしいと馬鹿にされいじめられている

会話はいつもうつむいて蚊の鳴くような音量で

クラスで誰も口を聞いてくれなくなり不登校となった

引きこもりとなったが自分の部屋で何もしないでじっとしている時が一番平穏  もう6年ヒキコモっています

本当にひとりぽっちとなり鬱状態や不安障害の精神症状まで出てくるようになった

リストカットの痕がこんなにありますと見せてくれる

 

 

 

こういう子供たち  もしくはずっと悩んで40歳を過ぎてしまった人たちが就職の相談窓口に来ることが近年とても多くなった。

 


挫折  自己否定   ストレスがいつも充満 投げやりな気持ち  もうどうでもいいやと思いながらそれでも仕事がしたい就職がしたいと私どもの窓口に漂着したようにたどり着く。

 


解決方法を見いだす事はとても難しい。

寄り添って話を聞いてあげるだけでは何もこの人たちの役には立つことができない

なんとか仕事まで繋げてあげたいが いつも歯がゆい思いのまま終わることも多い

就労移行のセンターでトレーニングすることを提案もするが その機能を理解し行ってくれるまでに時間がかかる

どこまでも自分は障害者だと思い込みたくない、判定されたくない、認めたくない

だけど自力で生きていくための何らかの仕事に就きたい。就けない。その感情の狭間を行ったり来たりしている。

 


今 彼らに対してできる事は本人の気分の調子が良い時を見つけて、個別に思っていた提案を納得して動いてもらうことだ。

医者にかかってもらう、手帳の取得を検討してもらう、就労移行センターに通ってもらう、コミニケーショントレーニングを始めてもらう。発達障害と一概に言うけどみんなそれぞれ持っている特性凹凸の部分はバラバラだ。一つ一つ無駄に終わる場合もあるけど手作りで一緒になって前に進めていくしかない。テレビを見ていた皆さんもあの番組の内容以外にもっと世間の底辺で一人ぼっちでいる人がたくさんいること、また目立たないけどそれを支援するNPOや就労支援組織の活動があることを知っておいて欲しい。

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