情けはいらない 金をくれ
情けはいらない 金をくれ
今 就職支援の窓口では、若者と年配者の就職相談はまだ多いが特に 中年男性の相談がとても以前と比べ少なくなったように思う
全国ベースでのデータは把握できていないが
この世代は今どうなっているのか?
少し前のある相談者を思い出しそれが分かるような気がした。
中年男性はもう仕事を探すことを諦めたのではないか?
41歳男性大学卒、有名な私立大学文系卒。
就活はガタガタでした。求人がない 求人数が少ない ゼミの先生から推薦されて応募しても企業担当者はお付き合いで求人は出してるけれど、そもそも積極的に採用しようとする意思がない。
30社以上受けたけれども途中で疲れてしまい諦めました。結局 契約社員かパートか、そんな身分も不明瞭なまま介護施設の事務に就職。この施設 介護職員が常時定員不足で利用者への扱いがとても雑。忙しいあまりゆっくり入所者とのコミニケーションなんか取っていない。丁寧に扱えばトイレの排泄までフォローできるのに、面倒臭いからオムツを推奨している。私は事務で入社したはずだが資格もないのに介護の仕事が中心となった。
個人でいくら頑張ろうと施設全体の運営が変わる事はないとわかり1年もたたないうちにやめた。
それからは何をしたのか 職務経歴に書くような事はありません。食品製造 収入が少ないので深夜のコンビニ、書店員、すべて今で言う非正規社員です。
いろいろやりましたが 昔の介護の仕事自体は嫌ではなかったので 人の支援の仕事がいいなと思い 就労支援A型事業所の仕事もしました。ここは正社員、ですが利用者がいるのに肝心の事業運営の基盤がなく作業する仕事がない、結局閉鎖で私も含め利用者は解雇されました。
今は派遣社員で検査梱包の仕事しています。
一緒に働いているパートの女性の人にパソコン操作を少し教えると、あなたみたいな人がなんでこんなところにいるの?と言われます。
確かに仕事は単純 5年10年たっても同じような仕事なんだろう 時間が経っていくだけの仕事 何とか手取りで20万のお金をもらってるので このままでもいいかなと思ってしまう。一人暮らしで死んでいくならこれでもいいけれど.................
いいえ情けはいりませんもっとお金が仕事が欲しいんです
情けはいらない金をくれ仕事をくれと 弱々しい目の光が伝えていた。
以前の就職氷河期の時代は嘘のようになり今は採用難、人手不足の時代。
新卒市場では、就職率 大学卒は2018年3月は同77.1%となっている。これは、バブル崩壊前の水準近い数字。
新卒採用は空前の売り手市場。
ロスジェネレーションと呼ばれる1970年から1982年ごろに生まれ 今37歳から49歳。バブル崩壊後 就職氷河期の期間に大学卒業の時期に当たった世代
その人たちが今 中年となり 中年非正規雇用 中年フリーターとなっている。
収入が問題で結婚していない
親は団塊世代 大学を出ると2人に1人は上場企業に入った時代だ。うつ病 非正規労働は本人がだらしないためと思いがちな世代。親の理解もなく だから家でも居心地が悪い。
それでも実家で親と同居し、親の年金や貯蓄にお世話になる事はありがたい、が、いよいよこの世代の親が介護を必要とするようになってくる。
もう先は生活保護しか見えていない。
結婚も金次第 仕事次第
下の数値の落差がひどい
35~39歳の正規雇用者では未婚率が24.7%に留まるのに対して、派遣・契約社員では60.6%、パート・アルバイトでは79.4%が未婚のままとなっている。
女性では初職が正社員だと配偶者のいる割合は70.9%だが、非正規雇用だと26.9%に留まる。
「一億総活躍社会」「働き方改革」「すべての女性が輝く社会づくり」など雇用関係のスローガンが空々しい。
第一次安倍政権では、若者のフリーター問題の対策として「再チャレンジ」政策を打ち出したが、再チャレンジできたのは首相だけと言う笑えない話になっている。
「若者」は「中年」になった。充分に働くことのできなかったこの世代、一番 割の合わなかったこの世代の人々はもう諦めるしかないのであろうか。
あの時、41歳の男性
このままでは終わりたくない
まだまだ自分が自分のことをもったいないと言っているんです。このままでは埋もれるだけ、自分の人生にはやりがいが必要なんです。
その気持ちが残っているなら、そのままぶつけてみようか まだ間に合う 必ず受け止めてくれる会社があるはずだ。
現在、地域基幹総合病院の総務庶務 正社員。ボーナスがある、退職金も出る。
結婚しましたと報告に来てくれた。
参考 就職氷河期について
当ブログ 就活ルールの廃止で......を参照
データ関係